台湾で祀られている日本人・廣枝音右衛門と慰霊祭 【苗栗・勸化堂】

台湾で祀られている廣枝音右衛門

台湾北西部の苗栗県に聳える獅頭山は、かつて台湾十二勝の一つに選出されたこともあり、美しい景観を誇っています。その登山口から階段を少し登った先に建つ勸化堂(かんげどう)に、一人の日本人の位牌が安置されていることはあまり知られていません。

 祀られているのは、日本統治時代に警察官として台湾に赴任した廣枝音右衛門(ひろえだ・おとうえもん)という人物です。先の大戦では台湾人青年を率いてフィリピンのマニラに渡り、激しい市街戦を戦いました。当時のマニラは、日に日に戦況が悪化し、廣枝たちの部隊も誰もが玉砕を覚悟せざるを得ない状況に追い込まれました。この時、廣枝は部下たちに対し、投降して両親や兄弟が待つ台湾に戻るよう暗示したと言います。そして廣枝自身は隊長としての責任を取る形で自決しました。

廣枝音右衛門慰霊祭のはじまり

 台湾に戻った部下たちは、自らの命を救ってくれた廣枝への恩義を戦後も忘れませんでした。そして、戒厳令下の台湾で自由が制限されていた中、1976年9月26日、勸化堂に廣枝は永代仏として合祀され、部下たちによる初めての慰霊祭が執り行われました。

 その後、毎年9月26日に勸化堂で慰霊祭が続けられましたが、2013年の慰霊祭当日に最後の生き残りの部下であった劉維添さんが逝去されました。現在は劉さんと生前から親交のあった渡邊崇之さんが遺志を引き継ぐ形で慰霊祭が続けられています。

現在の廣枝音右衛門慰霊祭

 慰霊祭は毎年9月26日、或いは26日が土日でない場合はその前の土曜日か日曜日に行われています。現在は台北駅を8時に出発するバスでの日帰りツアーが企画されており、毎年30名から40名ほどが参加しています。2時間半ほどで勸化堂に到着したら、慰霊祭を行い、その後、昼食として地元の客家料理を楽しみます。お腹を満たしたら、近くの南庄という古い町並みを散策し、17時頃に台北駅に到着するというツアー内容です。

 2019年の慰霊祭ツアーは9月22日(日)です。現在、申し込み受け付け中ですので、参加ご希望の方はお早めにお申込みください。なお、個人で勸化堂を訪れる場合には台鉄の竹南駅から苗栗客運や台湾好行といったバスで向かいますが、時間がかかるだけでなく、運行本数も限られているため、注意が必要です。興味関心のある方はぜひこの機会に慰霊祭ツアーに参加してみてはいかがでしょうか。

2019年廣枝音右衛門氏慰霊祭ツアー概要】

日程:2019922日(日)

集合時間:AM8時台北駅出発

集合場所:台北駅東3門出口

会費:完全実費制1,000元(バス代、お布施、食事代込み)。当日回収。

慰霊祭詳細及び当日のスケジュールはこちら
2019年慰霊祭申込みフォームはこちら

廣枝音右衛門氏慰霊祭Facebookページはこちら:

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です